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2010年01月31日

将棋は覚えゲー

せっかくなので、今日のNHK杯の将棋の感想を少しだけ書いておきたいと思います。内容は竜王の完勝で、強さが際立った一局であることは間違いないありませんが、久保棋王が指した自然な受けの一手がことごとく最善手ではなかったところを見ると、初手▲5六歩戦法の欠陥が少し現れたんじゃないかなと思います。

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後手が仕掛ける直前の第1図。飛車成りを受けるのに▲5八金がごく自然な一手ですが、それには△4五銀と銀交換を挑まれて、以下▲同銀△同桂▲6八金△5四歩の進行が予想されます。途中の▲6八金は必要な一手で、そのままだと△6五銀で飛車が死んでしまいます。ということで、△5四歩まで進んだ局面は先手不満そうですね。飛んだ桂馬も簡単には死にませんし、後手は多少駒損しても攻めが繋がりさえすれば問題ないですから。こういうのって、やはり穴熊流のさし方っぽいです。

だから第1図より本譜▲7八金としましたが、これするなら28手目に△8四飛としたところで、▲7八金と飛車成りを受ける方が優っていたということです。100人いたら98人が▲8六歩と指すでしょうけれど。

進んで第2図。この△8七香がするどい一手で、ここで後手優勢となりました。本譜は自然な▲9七桂でしたが、△6九銀が厳しい継続手で、一気に久保棋王の敗勢です。△6九銀に対して、▲5八金では△8九香成で角が死んでしまいますし、その打った銀を取ろうとすると△6七飛成が残ります。

といっても、第2図で次の△6九銀が厳しいからといって▲1三角成りでは、先手苦しいですね。結局△8七香〜△6九銀の3手1組の手順が、プロの解説の人も見えないということは、やっぱり将棋はいろいろな手筋を覚えていて、それらを組み合わせて考えているんだなと、再認識させられた将棋でした。
posted by こういち at 23:59 | 終盤の手筋