HOME > ブログ(更新情報)

2012年10月04日

昨日のタイトル戦の感想

今月号の将棋雑誌を買ったので、昨日は簡単な感想でも書こうと思っていたのですが、思いのほか王座戦の中継が面白かったので、結局最後まで見てしまいました。千日手指し直しのあと、羽生ニ冠が矢倉の将棋を制してタイトルを奪取したわけですが、千日手に持ち込んだ△6六銀(=第2図)が驚愕の一手でした。この手を勝因とコメントしていた人もいましたね。

121004a.gif121004b.gif

第1図が問題の局面で、後手玉には▲8三飛以下の詰めろがかかっており、渡辺王座が勝ちそうな雰囲気の局面でした。一方の先手玉もかなり危険ですが、斜め駒2枚ないと詰まない状況。

ここで羽生ニ冠が指したのが歩頭に打つ△6六銀。以下、▲同歩に△8九金と詰めろを掛けて、▲7八飛△8八金▲同飛△8九金・・・と続く千日手となりました。△6六銀の意味は▲同歩と取らせることによって、▲8三飛から寄せにいったとき、後の▲6六桂を消しています。これで後手玉は詰まないようです。これは歴史に残る△6六銀だなとその日は思ったのですが、冷静に見てみると第2図より▲7八銀で先手勝ちだったんじゃないかと、そんな気がしてきました(▲7八銀は棋譜のコメントに書かれている手です)。ともかく、第1図では△7一金と捨ててから△8九金の千日手狙いもあったわけで、△7一金の方がより安全だったんじゃないかなと今は思っています。


121004c.jpg

121004d.gif

あまり某動画サイトの生中継は見ないのですが(たいてい中継しているのに気が付かない)、その日は竜王のブログを見て知りました。最近なぜか連盟のサイト重いですし、タイトル戦の情報等を得るときは、竜王のブログが主になっていますね。
posted by こういち at 20:23 | 終盤の手筋

2010年07月18日

森内九段格好良かった

今日放送されたNHK杯は一方的な内容で、とても退屈でした。やはり女流棋士枠は1つで良いような気がします。見ていて少し可愛そうでした。だから、大和証券の将棋も見ようか迷ってたんですけれど、結局惰性で見てしまいました。結果は森内九段の貫禄勝ちで、見て良かったと思える将棋でした。

100718a.gif100718b.gif

戦型は相穴熊。居飛車が銀冠穴熊にしたのが森内九段の作戦だったようです。中盤でビッグフォーの形になって、森内九段ペースの流れ。解説の鈴木八段は銀冠穴熊が嫌だから振り飛車穴熊は指さなくなったと言っていたので、これからは銀冠穴熊が流行りそうです。早速僕も相穴熊の将棋には普通の穴熊ではなく、銀冠穴熊で対抗してみようと思います。

図は終盤のところですけど、ここからの森内九段の攻めが果てしなく格好良かったです。第1図より、▲6四角△8八角成▲同玉△7三金▲8四歩と進んで第2図。△7三金と打ったからには△6四金と角を取れないと駄目ですけれど、▲8三歩成で受けなしです。どうも桂馬2枚手持ちにしたのが厳しくなっているようで、こんな簡単に穴熊が攻略できるものかと驚きました。ちなみに、第1図で単に▲8四歩だと△7五飛▲8三歩成△8八角成▲同玉△8五飛で粘りが効くので、一回角を王様のラインに打つのがポイントですね。と、書きましたが、よく見たら△8五飛は桂馬利いていて全然駄目ですね・・・。そしたら第1図は既に先手勝勢で単に▲8四歩でも勝ちですね。角打ちは保険をかけた1手だったということでしょうか。



100718.jpg

将棋とは全然関係なくて恐縮ですけれど、今日は動画サイトでエキサイトシート1番が取れたので記念に貼っておきます。とても面白い試合で大満足でした(特に実況と解説が)。1番といっても、その前に0番というのもあるので本当の1番乗りではないのですが。
posted by こういち at 22:19 | 終盤の手筋

2010年07月14日

将棋講座の本

今日は先崎八段のNHK将棋講座の本が発売されたので、見てきたかったのですが雨が強く面倒くさくなってきて止めました。その辺の普通の本屋には、さすがに置いていませんでした。週末また大きな書店で見てきたいと思います。ところで今日の王位戦は広瀬六段の完勝でとても強かったですね。

100714a.gif100714b.gif

第1図で打った▲9八角が、▲8七角〜▲9六角と活用して働くなんて思いもしませんでした。第2図の▲9六角は、一見攻めに何も利いていないように見えますが、▲6四馬という攻め筋があって強烈です(△同歩に▲5二角成)。これがとても格好良かったです。

先手のすべての駒が働いていて、とくに5五の馬は攻防に利いていて凄いし、勝ち将棋の見本のような一局だったと思います。名人戦や棋聖戦はすぐ終わってしまって残念でしたけど、王位戦は長く楽しめそうです。
posted by こういち at 22:47 | 終盤の手筋

2010年06月06日

テレビの放送

後手完封で退屈な将棋だったなと、ほとんど寝ながらテレビを見ていましたけど、まさか第1図から逆転してしまうなんて思いもしませんでした。2回戦の久保×戸辺戦が見たかったなぁ・・・

100606e.gif100606f.gif

ここで△5五歩と角を取る手が正解だなんて、これだから将棋は難しいですね。本譜は自然な△7二同金が疑問手で、進んだ第2図は後手の大駒1枚と桂得ではあるものの、駒得を解消されて一気に逆転となってしまいました。
posted by こういち at 12:23 | 終盤の手筋

2010年05月19日

今日の名人戦

まさか4連敗で終わってしまうなんて思いませんでした。定跡の勉強のために1局でも多く名人戦が見たかったので、今回ばっかりは三浦八段を応援していました。それにしてもこの第4局はかなり形勢が動いた将棋だったようです。個人的には86手目△7六歩の叩きに△2三角が格好良かったですね。

100519a.gif100519b.gif

第1図が逆転したところ。▲5三角が▲3一角成△同玉▲3二歩以下の詰めろですが、対して△6七角が△8五金以下の詰めろ逃れの詰めろになり三浦八段の優勢に。以下▲7六銀と受けましたが、△3四角成と馬を作って、この馬が手厚い形となりました。

それにしても、こういう将棋になると渡辺竜王ならどちらもっても逆転で勝ってしまうんだろうなと、以前の3連敗から4連勝した竜王戦の将棋をふと思い出しながら観戦していました。


100519c.gif100519d.gif

最後に、図は本譜△6三桂のところ△4三金とした局面が第3図。某所でちょっと話題にあがっていた変化です。これで受かるなら後手良いとは思うんですけれど、本譜と同様に▲3二歩成△同玉▲2二金△4一玉▲6二角成(=第4図)で先手勝ちでしょうね。第4図で△7四歩が少しわからないんですけれど、▲同となら△6二金〜△5三角でこれは後手もやれそうな気がしますけど、△7四歩は▲同玉か、交わすかどちらかで何とかなっていそうです。

あと、途中の▲3二歩成に△1三玉の変化は▲2五歩と逃げ道封鎖してわかりやすいです。だから三浦八段が再逆転を許してしまったのは、せっかく作った馬が取られてしまったところになるのだと思いました。今日の深夜の放送も録画して見てみたいと思います。
posted by こういち at 22:55 | 終盤の手筋

2010年05月11日

この間のNHKの将棋

優劣不明の中盤戦、次の手を考えていた僕はふと、とても奇妙な一手を思いついた。それはとても素朴な、というよりむしろ素人くさい手だった。(P.256)

先週放送されたNHK杯の将棋で、第1図の局面を見たとき、この一節がふいに頭をよぎりました。実際この手で先手の流れになりましたけど、小説と違って現実はなかなか上手く決まらないものですね。

100511a.gif100511b.gif

第1図は持ち駒の金を4一に打った手ですが、一目筋悪で、この手だけ見ればプロの将棋とは想像つかないです。図の▲4一金に変えて、普通に指すなら▲5一銀成△同銀▲5四香くらいです。でも、これでは攻めが細く先手負けそうな感じがします。

結果的に、本譜▲4一金と打った手が功をそうして、以下△2四角▲5一金△同銀▲同銀成△同金▲5四香(=第2図)と進みました。途中の△2四角と持ち駒の角を使わせたのが大きく、明らかに得ですね。ただし、最後の▲5四香のところでは一回▲2一龍として、2四の角の退路を聞いて置くほうが勝りました。


100511c.gif100511d.gif

第2図以下、△6一金▲5二成香△同金▲7一銀△9二玉▲4一龍△6二銀と進み第3図。図の△6二銀が好手。この局面だけ見せられれば△6二銀の一手は僕でも指せそうですが、この手を実戦で本当に使えるようになるためには、第2図の辺りで既に見えていないと駄目ということです。終局直後△6二銀をうっかりしたという声がもれていましたが、つまりそういう意味だと思います。

ちなみに第2図の△6二銀に変えて△5三金は▲6二銀成として、この変化も難しそうです。△5三金に▲5一龍とできるなら先手明快に勝ちなんですが、当然角の利きがあるのでかないません。進んで第4図。▲2一龍とするようでは変調で、ここでは完全に後手勝ちの局面となりました。
posted by こういち at 23:03 | 終盤の手筋

2010年05月10日

▲9五金の是非

都合で、鯉のぼりの期間が長くなってしまいました。今日からまた少しづつ将棋の定跡とかについて書いていければなと思います。とりあえず名人戦第3局の気になる変化を書いておきます。それにしても、この戦型って何といえば良いのか悩みますね。僕のなかでは山崎流なのですが、それは自分だけにしか通用しませんし、東大本の8五飛阻止は名前ではない気がしますし、戦型を分類するための名前が欲しいものです。

100510a.gif100510b.gif

竜王が解説していた▲9五金(=第1図)の変化です。筋の悪い手ですが、駒得しているときは(3枚換えの先手駒得)そういった手が案外最善手になる将棋をよく見かけます。以下△8三飛▲8五金△同飛▲8六香に△8四歩(=第2図)が三浦八段の指摘された手で、これで先手悪いみたいです。飛車とっても使う場所がないからという理由ですが、正直これで先手悪いとはとても思えませんね。第2図以下、▲8五香△同歩▲8四飛(=第3図)として、働きすぎな5四の角を攻めて、先手が良くなりそうだからです。


100510c.gif100510d.gif

第3図以下△4五角▲5四桂△7三角と進めて第4図。これは正直2枚の角が働きすぎて先手悪いです。かといって第3図で、▲4六歩は9四の飛の首を絞めて駄目ですし、ちょっと筋よく▲7二歩だと△7六香とされて、普通に先手の攻め合い負けでしょう。働きの悪い9六の飛車の罪はとても大きいのかもしれません。さりげなく9一の香を拾えれば良いのですが、なかなかそういう展開を作れないです。

実は僕は「駒得は裏切らない」という格言の信奉者なのですが、こういう将棋を目の当たりにしてしまうと、確固笑いという言葉を後ろに添えたくなってしまいますね。
posted by こういち at 21:01 | 終盤の手筋

2010年04月18日

今日の名人戦面白かった

今日子供名人戦の放送されてましたけど、いろんな意味で面白かったです。優勝した山川君という子は、受け答えもしっかりしているしハキハキ喋るし、きっと親のしつけが行き届いているんだろうなと思いながら見てました。

100418a.gif100418b.gif

印象に残った将棋だと、決勝の千日手局のやつですね。第1図は△5七桂の両取りを受けるために、6九にいた飛車を▲6八飛と浮いたところ。ここで実戦は△5七銀でしたが、竜王指摘の△5九歩成が軽い手で好手でした。以下▲同金の一手に△5七角(=第2図)で後手優勢か勝勢に近い思います。

それは良いんですけれど、こういう手って教えられれば良い手だなというのは、わりとすぐわかりますが、実戦で一体どうすればひらめくのかなと、いつも考えるわけです。考え方としては、▲5八飛と寄られさせしなければ良いので、△5九歩成〜△5七角の3手1組の手は、理屈的にはさほど難しくないはずです。なのに、この手が候補手に挙がる自信が全くありません。きっとこういうのって感覚的なものが大切なんでしょうけれど、それを磨くためには一体どうすれば良いのか、考え込んでしまいます。


100418.gif

あと、途中から見たので最初の対局見ていないのですが女の子も出場していたみたいです。最後の表彰式で、無理やり喋らされて可愛そうだなと思ってみてました(笑ってしまいましたけど)。きっとしばらくは大人に対して心を開かなくなってしまうでしょうね。トロフィーを盾に、顔を隠してる姿が一番印象に残りました。
posted by こういち at 23:32 | 終盤の手筋

2010年03月18日

王将戦の最後の詰むか詰まないかのところ

昨日のタイトル戦は久保棋王が勝って王将位を奪取。こういう将棋を見て、感動したり、すごいなと思えるようになっただけでも、将棋を続けてきて良かったなと心から思います。

ということで、棋譜コメントに書かれてありますが、ものすごかった最後の局面を図面を交えて書き残しておきたいと思います。羽生が衰えたという声も聞かれますが、この最終局に限っては正直運が悪かったとしか思えません。

100318a.gif100318b.gif

第1図は最終番。羽生王将が後手玉を詰ましに▲6四角と王手した局面。6五の香車が良く効いていることと、▲1三龍という手に着目すれば、羽生王将が寄せようとしている手順は見えてくると思います。第1図で△9二玉と逃げるのは、飛車を切って▲8二銀からの比較的簡単な詰み。従って、第1図で後手は何か間駒をする一手です。

しかし、何を間駒するかが問題。ここでは銀で間駒するのが後手玉が生き延びる唯一の正解手。先手からして見れば、何を受けようが73に引っ張りだして▲1三龍の王手(=第2図)で詰みだと錯覚してしまいそうです。第2図の▲1三龍の王手に対して、△8四玉は▲8三龍〜▲8一飛成の詰み筋があり分かりやすいです。ということで、△8四玉も駄目ということは、53か43に間駒するしかありません。そして、ここでも銀を間駒するのが後手玉が生き延びる唯一の受けとなっています。第2図より△5三銀▲同竜△同金▲6二飛成△8四玉▲8六香と進み第3図。後手玉は詰んでるとしか思えません。


100318c.gif100318d.gif

僕なら第3図まで局面を進めても、まだ後手玉は詰みだと信じて疑わないですが、ここで△8五角と間駒するのが好手。以下▲同香の一手に△9四玉(=第4図)と交わして、後手玉が詰まないのがようやく明確になってきます。第4図以下、▲9五銀の一手ですが、△同玉▲8六銀△9四玉となって、先手は持ち駒に角しかなく、詰まない形となります。

ちなみに、第1図〜3図に至るまでに、後手は2回の間駒をしたわけですが、このとき銀以外の駒、すなわち桂か金を使っていると後手玉は詰んでしまいます。第4図で先手に桂があるなら▲8六桂からの順で詰み。金を持っているなら▲9五銀△同玉▲9六歩△同玉▲8六金で後手玉を討ち取れます。最大のポイントは、第3図▲8六香の王手に△8五角と間駒して△9四玉と交わすことですが、これを58手目の時点で読みきっているんですから、如何に久保棋王が深く読んでいるのかが分かりますね。
posted by こういち at 23:00 | 終盤の手筋

2010年03月03日

昨日の将棋の感想

昨日の順位戦はとても面白くて、結局放送終了となる深夜2時まで見てしまいました。昨日のような感動する将棋をもっと多くの人に伝えられたら「将棋界は斜陽産業」だなんて言われなくなるのになと、強く感じましたね。そういう意味でも、解説する人も重要だと思います。解説の阿久津七段、終始眠そうな顔をしていて、もう少し頑張って欲しかったです。

ということで、三浦八段が名人挑戦を決めた対郷田戦の逆王手付近の局面だけ書き留めておきたいと思います。

100303a.gif100303b.gif

第1図がその局面。最終番です。ここは正確には郷田九段の勝ちで、▲同銀と取るのが正解でした。その直前のところでも勝ちを逃しているようで、郷田九段にとっては悔いの残る将棋になってしまったと思います。ちなみに郷田九段は名人挑戦も、降級の可能性も関係なかったのですが、この将棋での1勝が来期の順位に大きく影響していました。(勝てば来期3位、負けたので来期7位)

本譜▲8九玉が最後の敗着で、以下△8八歩に▲9八玉が気になる変化なのですが、△8九銀▲8七玉△8五飛▲8六角の逆王手に△7五桂(=参考図)が逆王手返しとなっていて先手玉詰みとなります。先崎八段が「作ってもなかなか作れない」と解説していたのが、とても印象に残ります。


100303c.gif100303d.gif

従って第1図より▲8九玉△8八歩に▲9八玉とは交わせないので、▲8八同玉の一手。以下△8七歩▲同金△7八飛▲8九玉△4五角▲同歩△6八龍と進み第2図。後手玉が詰むか詰まないかの勝負になりましたが、上部が広くて捕まえきれず、三浦八段の勝ちとなりました。

ちなみに、その第2図で▲8六角と王手龍取りに打つ手が目につくと思いますが、これにはわかりやすく△7五桂(=参考図)と受けて後手勝ち。とにかく、龍を取ったとしても先手玉がそんなに安全になるわけではないので、大した効果はありません。△6四桂の間駒でも、△6四歩でも後手勝っていそうです。
posted by こういち at 22:24 | 終盤の手筋

2010年02月03日

一体何を錯覚したのか

昨日の順位戦は昇級争いのかかった重要な一戦だったので、中継を長い時間観戦していました。昨年も似たようなこと書きましたが、若くて”真面目”な棋士に上にいってもらいたいですから、金井四段を応援しておりました。勝てば昇級だったんですけれど、最後の最後でまさかの逆転負け。その一局を少しだけ書いておきます。

100203a.gif100203b.gif

最終番、△5六桂と先手玉に詰めろをかけた第1図。▲同歩と取ると2四の角が直通するので△6八角成から詰みます。つまり桂馬は取れず、そして後手玉に詰みはありませんから、攻防手がなければ後手勝ちの局面です。

第1図より▲3二馬は仕方ないところだと思いますが、△同玉が敗着。以下▲1二飛△2二金に▲3五香(第2図)が攻防手で、わかりすく先手勝ちの局面となりました。角道が止まったので、これで△5六同歩と手を戻すことができます。かといって第2図で△3五同角は▲2二飛成からの簡単な詰みですね。

後手が苦しい形勢だと思っていれば別ですが、第1図▲3二馬に対して、普通第1感は△5二玉の早逃げですよね。100人いれば98人がその思考になるはずです。持ち時間も10分あったような表示していましたし(実際は更新していないだけで1分将棋だったんだと思いますが)、▲3二馬に△同玉は悪手だと、わりと早く切り捨てられる手だったんじゃないかなと思うわけです。だから、どうしても腑に落ちない△3二同玉でした。



100203c.gif100203d.gif

棋譜に何を見誤ったのか書かれていませんでしたので、第1図▲3二馬に対して△5二玉だと何を気にしたのかなと自分なりに考えてみました。

△5二玉に対して、迫るなら▲4二金(=参考1図)は必然で、ひるんで△6一玉は▲8一飛から要の8五の桂馬を外されて先手勝ちそう。なので、▲4二金に△同金の一手ですが、以下▲同馬△同角▲5六歩(=参考2図)と進み、後手玉に詰めろがかかっていませんから、これは明らかに後手勝ちの局面です。以下わかりやすく△7七金と詰めろをかけて後手の勝ち。

決して手の広い局面でもないですし、この辺りプロならすぐ読めるはずだと思います。だから、何を錯覚したのかというと参考1図▲4二金△同馬に▲同角というのが、すっぽり頭の中から消えてしまったのではないかなと推察しました。2四の角は先手玉を睨んでいる角で、そのラインでしか使えないものだと思い込んでしまったのでしょう。ちなみに▲4二金△同馬に▲同玉は相当危険で、何か先手に攻防手がありそうです。

金井四段、最終局を勝てばまだ自力昇級ですが、この1局を絶対引きずるでしょうし難しそうですね。哲学的に表現するなら、自分との戦いになりそうです。
posted by こういち at 23:51 | 終盤の手筋

2010年01月31日

将棋は覚えゲー

せっかくなので、今日のNHK杯の将棋の感想を少しだけ書いておきたいと思います。内容は竜王の完勝で、強さが際立った一局であることは間違いないありませんが、久保棋王が指した自然な受けの一手がことごとく最善手ではなかったところを見ると、初手▲5六歩戦法の欠陥が少し現れたんじゃないかなと思います。

100131a.gif100131b.gif

後手が仕掛ける直前の第1図。飛車成りを受けるのに▲5八金がごく自然な一手ですが、それには△4五銀と銀交換を挑まれて、以下▲同銀△同桂▲6八金△5四歩の進行が予想されます。途中の▲6八金は必要な一手で、そのままだと△6五銀で飛車が死んでしまいます。ということで、△5四歩まで進んだ局面は先手不満そうですね。飛んだ桂馬も簡単には死にませんし、後手は多少駒損しても攻めが繋がりさえすれば問題ないですから。こういうのって、やはり穴熊流のさし方っぽいです。

だから第1図より本譜▲7八金としましたが、これするなら28手目に△8四飛としたところで、▲7八金と飛車成りを受ける方が優っていたということです。100人いたら98人が▲8六歩と指すでしょうけれど。

進んで第2図。この△8七香がするどい一手で、ここで後手優勢となりました。本譜は自然な▲9七桂でしたが、△6九銀が厳しい継続手で、一気に久保棋王の敗勢です。△6九銀に対して、▲5八金では△8九香成で角が死んでしまいますし、その打った銀を取ろうとすると△6七飛成が残ります。

といっても、第2図で次の△6九銀が厳しいからといって▲1三角成りでは、先手苦しいですね。結局△8七香〜△6九銀の3手1組の手順が、プロの解説の人も見えないということは、やっぱり将棋はいろいろな手筋を覚えていて、それらを組み合わせて考えているんだなと、再認識させられた将棋でした。
posted by こういち at 23:59 | 終盤の手筋

2009年11月08日

本買ってきた

もし何かご意見とかありましたら、こちらの記事にコメントをお願いします。多分、ブログは当分書かないと思います。(居飛車党宣言の何かお知らせ的なことは書きますが)

お恥ずかしい話、本当は11月からまたブログ再開しようかなと思ってたんですけれど、某動画サイトに9月12日に投稿した感じのものをアップしています(恥ずかしいので遠まわしの表現です)。そのせいで、こちらには手がつけられなくなってしまいました。動画を編集するスキルは結構上がったので、機会あれば将棋関係のも何かやってみたいとは思っているのですが・・・

091108.jpg

今日は本屋で色々買ってきました。5000円分買えば、ジュンク堂の手提げ袋がもらえるということで、それ目当てでもありました。将棋の本は実は買う予定ではなかったのですが、5000円に届かなかったので適当に選びました。しかし、この本『引き角戦法』は、ほとんど手をつけずホコリをかぶりそうです。『相振り飛車基本のキ』で、自分の指さない戦法は絶対読まないと教訓を得たのにも関わらずなぜ手に取ってしまったのか。学習能力がありません。

僕の中では、引き角戦法は穴熊の妥協策という位置付けなので、そんな妥協するくらいなら将棋なんか止める、というくらいの気持ちでいます。ただ、一応うんちく語るために読んでおいて損はないはずですし、穴熊嫌いな人と指すとき用に(結構いらっしゃるので)この戦法を使うのも良いかなと思います。
posted by こういち at 22:48 | Comment(6) | 終盤の手筋

2009年09月30日

今日の王位戦

3連敗から奇跡の4連勝で深浦王位が勝ち、タイトル防衛となりました。それにしても今日の将棋は大熱戦で、今期の名局賞はこれで間違いないと確信しました。終盤にも関わらず混沌とした形勢が続き、かつ有力な変化が多くて本当に難解な将棋だったと思います。とりあえず、簡単にポイントとなったところを書いておきます。戦型は8五飛車戦法の少し古い定跡型でした。

090930a.gif090930b.gif

終盤戦の第1図、△9四金と持駒の金を打った局面。直前の▲8五角に対して、例えば△2四金なんかと桂馬を取ると△5一銀〜△4一角成〜△2四角という攻め筋があります。従って8五の角を追っ払わないといけませんが、図の△9四金(打)がすごい一手。これはプロで指せるのは木村八段くらいなものだと思います。僕なんか△9四金なんて教えられても、即切り捨ててしまう一手です。しかし、この単純すぎる一手が最善なのだから将棋は奥が深いですね。第1図△7四歩▲同角△6三金打と受けるのが普通の手順だと思います。

進んで第2図。この△9二角以外にも△4五角が有力だと某掲示板に書いていましたが、比較するなら本譜の△9二角が優りそうです。ここは後手優勢としておきます。この手に対して▲6五銀と受けるのは△3六飛成が絶好で、以下▲7二成銀としても△4五竜〜△6五竜〜△7五竜で詰めろ消しつつ攻めることができます。よって本譜△9二角に対して▲6六玉。


090930c.gif090930d.gif

第2図以下▲6六玉△5四桂▲7五桂と進んだ局面が第3図。本局一番の山場でした。筋は△7四歩ですが▲8五玉と逃げられて、以下△8四歩に▲9四玉と逃げられて捕まえきれないところだと思います。これが棋譜コメントに書かれてある否定された理由かな。ちなみに△7四歩の意味は、▲同玉ならばそこで△5六桂として、次に△2四飛と王手で桂馬を掃えるようにしておく意味です。▲8四玉も△8三歩と打てば同様の狙いが生じます。

本譜単に△4六桂でしたが、ここは棋譜のコメントに書かれてある△6九飛成が最善だったと思われます。以下▲7九金から飛車を取りきる暇はないので、こうやって金を質駒にしておくのが良かったと思います。ただ、後手玉との兼ね合いもあるので単純ではないんですけれど。

第4図は▲6七金と働いていない駒の活用で先手勝勢の局面。96手目の△8一歩が結果的に敗着なのかもしれませんが、第4図の局面を見ると、やっぱり3九の飛車が全く働いていない罪は大きく感じます。だからこそ第3図で△6九飛成としていれば、木村王位誕生だったんじゃないかと、そんな気がしてならないです。
posted by こういち at 22:21 | 終盤の手筋

2009年09月17日

次の一手問題が解けたとしても

最初に表示される記事をいつまでも目立つところに置いておきたくないので、ちょっと将棋の話題を投稿しておきます。 ・・・次の一手問題では一目で解けても、実戦で同じような手筋が浮かばなかったり、見逃してしまったりすることは日常茶飯事だと思います。例えば第1図のような問題。

090917a.gif090917b.gif

これは雑誌に載っていた問題の部分図ですが、問題の答え的に考えると、たいてい桂馬を6四に打つか7四に打つかの2択で迷うだけだと思います。9四に配置されている銀が、いかにも次の一手問題的な駒の配置で、この駒が▲6四桂(▲6四桂には△8三銀)と、8三に金駒を打つ手を消しています。ということで、正解は▲7四桂です。

それを踏まえて第2図。こちらは高段者の実戦例からです。一目受けなしの格好ですが、ここで△6二金(=第3図)と受けられた時の寄せ方が見えるかが問題です。第2図で△7二金ならば、▲6四桂がわりと見えやすい決め手ですね。△6二金なんて、受けとしてはとても不安定で、△7二金よりも絶対劣る受けだと思うのですが、実際指されて見ると焦りますね。▲8二銀は当然ありますが、△6一玉とされて非常に格好悪い結末となってしまいます。


090917c.gif090917d.gif

ということで、第3図より▲7二銀△同金に▲6四桂(=第4図)が決め手となります。以下、△9二飛と受ける一手ですが、▲7二馬△同飛に▲6三金で受けなしです。ここまで読みきれて、はじめて第3図のところで▲7二銀と打てるわけですが、やっぱり思うのは▲6四桂みたいな手を当たり前のように思いつくようにしておくことが大切だなと思います。僕なんか第3図で早々と▲6四桂は切り捨てて▲8二銀の誘惑に負けてしまいそうです。

ちなみに、第3図でいきなり▲6四桂と打ってしまっても後手玉を受けなしにはできますが、▲6四桂に△7二香と埋められて、ちょっと長くなってしまいます。やっぱり決めるときはスマートに決めないと状況によっては逆転もありえますからね。
posted by こういち at 22:48 | 終盤の手筋

2009年08月02日

将棋は男がやるゲーム

今週と先週のNHK杯は、内容的には今ひとつでしたが、非常に楽しく見ることができました。番組始まる1時間前から心弾ませていた5年前の記憶が蘇ってきた感じです。ちょっと思うことがあるので、今日放送された将棋の内容を少しだけ書いておきます。

090802a.gif090802b.gif

第1図の△4六歩に対して▲4六同歩と取ってしまったのが結果的に敗着になってしまった感じです。普段の将棋なら▲4六同飛と取ったと思いますけれど、相手は体躯の大きな棋士ですし、それだけで威圧感ありますから、消極的になってしまったはずです。しかし、それでは純粋な将棋うんぬんの勝負ではなくなってしまいますし、もう少し実力が反映される形になるのが望ましいと思います。実力に差があるといっても、いくらなんでも中盤で形勢が離れすぎです。今日の将棋だと、終盤に△8五歩という手が出て白熱した展開になるんですけれど、そういう次元の将棋では無くなってしまいました。

しかし、115手目の▲7七金が好手で、わりと際どい勝負に。問題の第2図で、感想戦で指摘していた▲7八同銀としてどうだったかですが、結局先手負けのようです(櫛田六段は後手視点で語っていたので3二と言っていますが)。第2図以下、▲7八同銀△同と▲同金△同龍▲7七金で、後手が負けになったのではないかと呟いていましたが、以下△8八銀成▲同銀△8七金▲同金に△7九角成と必死をかけて後手勝ちですね。多分、最後の△7九角成のところ△7九銀とかで駄目だと悲観していたものと思われます。これだと▲7七金打とすれば先手逆転なんですけれど。
posted by こういち at 14:02 | 終盤の手筋

2009年07月09日

今日の中継の将棋

今日の棋聖戦はすごい将棋でしたね。木村八段の敗因は、ひとえに羽生棋聖が強すぎたといったところだと思います。それにしても、ニュースサイトでこの将棋の結果が報じられているのに、肝心の連盟のサイトがパンクしているのはいただけないですね。こういう時こそ将棋ファンを取り込む良いチャンスだと思うんですけれど。

090709a.gif090709b.gif

ちょっとだけポイントの部分を振り返っておきます。やや木村八段優勢のまま進んだ終盤の局面の第1図。5八にいた龍を△6九龍とした局面。ぼんやりした手で、最初意味が全くわかりませんでしたが、これがなかなかの一手でしたね。対して先手は待望の▲8三歩を指しますが、そこで△9三歩が好手。つまり、後手は角を手に入れれば△7九角以下の即詰みがあるので、無理矢理角を取りに行く意味です。第2図以下、▲6二馬△同金▲8一飛△4二玉に▲7九銀と、その詰みを消すために辛抱しました(▲8二龍と香を取っても詰み)。しかし、ここはさすがに木村八段勝ちを意識したと思います。第2図は後手優勢。


090709c.gif090709d.gif

少し進んで第3図は最終番の局面。一見△4三玉から入玉できそうに見えますが、角を渡すと▲5二角の一手詰みですから、▲7三銀と打たれてしびれます。従って、本譜は△8一龍として、上部脱出と角を捕獲されないようにしています。しかし、これが敗着だったと思います。ここでは△1九角成と香車の方を取ったほうが良かったはずです。本譜の順で進んだとき、その1九の香車が良く利いているからです。

第3図以下、△8一龍▲5二銀△4三歩▲1三歩成△同桂▲4三歩と進み第4図。この▲1三歩成を利かしてからの▲4三歩が格好良い手順で決め手となった感じです。
posted by こういち at 23:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 終盤の手筋

2009年07月06日

現実は甘くない

先週のプロの将棋から2局、次の一手問題形式でピックアップしてみました。第1図は昨日当ブログでも書いた大和証券のやつ、第2図は朝日オープンからのものです。

090706a.gif090706b.gif

第1図の正解は▲5三歩です。▲3二と△同飛▲2一飛成でも問題ないですが、以下△3一歩で寄せるのに少し苦労しますね。▲5三歩と一回たたきを入れることによって、相手玉を寄せやすくする効果があります。▲5三歩に対して△同金なら▲3二とではなく、▲3三とがより厳しいです。

第2図の正解は▲5二銀です。プロが指した手は▲6二歩だったのですが、以下△4五銀と要の桂馬を取られてしまい、まさかの逆転となりました。▲5二銀みたいな手は当然誰でも思い浮かぶ手で、これが正解だなんてと顰蹙ものだと思います。しかし、現実の将棋はそんなに甘くないんだぞという教訓を学ぶ、良い問題じゃないかなと思うわけです。

▲5二銀に対して、普通は△3一玉と逃げられて打った銀が重く駄目としたものですが、△3一玉には▲6二角成と継続手があるので成立しています(ここは少し読みが必要)。だから▲5二銀には△同金の一手ですが、以下▲同歩成△同玉▲5三歩△4一玉にそこで▲6二歩が筋の良い厳しい一手ですね。つまり、第2図で▲6二歩は不正解ですが、この手が見えていないと一手争いの将棋を制するのは難しいので、次の一手問題を解くときは、この辺りまで読みを入れて初めて正解と言えるんじゃないかなと思ったりもしました。
posted by こういち at 22:37 | Comment(10) | TrackBack(0) | 終盤の手筋

2009年07月05日

今日放送された将棋

今日放送されたNHK杯は、一回戦の対局でも一番注目のカードだっただけに楽しみにしていました。将棋の内容も期待を裏切らない、とても面白い将棋でした。最後気になった最終番のところだけ書いておきます。

090705a.gif090705b.gif

第1図、後手玉には詰みはないので、先手玉に詰めろ詰めろで迫っていけば後手勝ちの局面です。もう放送残り5分くらいのところでしたので、松尾七段の勝ちだと確信して見ていました。しかし、第1図より△4五桂と放った一手が、どうも駄目で阿久津七段の勝ちとなったようです。△4五桂は次に△5七桂不成以下の(多分)詰めろなので、決まったかのように見えるのですが、△4五桂に▲4六金が必殺の切り返しで、この金が4六に上がったことによって後手玉に詰めろが発生してしまったんですよね。ということで、後手は先手玉に詰めろ詰めろで迫っていけば良かったのが一転、即詰みに討ち取らなければいけなくなってしまい、後手負けとなった将棋でした。

ということで、結果は先手勝ちでしたが、後手勝ちの変化があったと思います。その一つの候補手として第1図より△4五桂に変えて△4八銀が考えられます。これはわかりやすい詰めろなんですけれど、▲5九歩が冷静な一手で、以下△5七銀成が詰めろにならないので、▲3三金と詰めろをかけて先手勝ちですね。また、第1図のところでは駄目ですが、△6七香成と突っ込む手もあったので、後手勝ちの変化は必ずあったと思うのですが、どういう組み合わせで後手勝ちにできるのか、すぐにはわからないです。是非、この対局の観戦記が載ったNHKテキストは買ってみようと思います。

と、30分前に書きましたが、▲5九歩には下段に飛車打って、後手勝ちですね。▲5八金打と受けるようでは駄目ですし。ちょっとこの記事は消すかもしれません。もう少し検討してみようと思います。
posted by こういち at 12:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 終盤の手筋

2009年06月29日

穴熊

昨日のNHK杯はお互い自分の主張を曲げない激しい将棋で、今期の中では最も面白い内容でした。四間飛車対穴熊の戦型でしたが、穴熊の勝ち方としては理想的な勝ち方だと思います。僕なんか、あんな勝ち方できると嬉しくて、何回もその棋譜を並べ返してしまいそうです。

090629a.gif090629b.gif

第1図の局面は形勢が後手に傾いたところ。2一の桂馬って守りの駒としては土台にしか役に立たないし、ちょっとでも端を破られてしまうと足でまといの駒になるだけです。だから、その桂馬が持駒の銀と交換になったのは後手にとって受けやすくもなり、さらに戦力も補強され言いことづくめでした。ここでは、解説の通り銀を打たないで、単に▲1三歩成で先手優勢でした。

穴熊指してていつも思うのは、端を攻められるのは必ず覚悟しておかないといけないことで、その時どのタイミングで反撃するかです。ただ、反撃するにしても、相手玉に何にも嫌味のついていない無傷の状態だったら話にならないわけで、そういう意味で、僕にはこの3六の歩が光って見えました。

数手進んだ第2図の局面。▲1三香成といけないとおかしいですが、以下△同銀▲同角成△1ニ歩に▲3四馬までは必然で、そこで△3三香と打っても良いし、わかりやすく△3七銀と放り込んでも後手良さそうですね。
posted by こういち at 21:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 終盤の手筋